2009年09月07日
8月24日付産経新聞に、ヤミ金に関する記事が出ていました。記事の根拠は、東京情報大学の堂下浩・
准教授の調査です。
その要旨は、「従来のヤミ金や廃業した業者が、年利40%~80%の『ソフトヤミ金』として暗躍を始めた」というもの。
ご存知のとおり、来年の6月に改正貸金業法が全面施行されます。それに伴い、大手クレジットカードのみならず、
大手消費者金融も新規融資に慎重になっています。しかしながら、法人個人を問わず「つなぎ融資」の需要はこれまでどおり、
あるいは不況によりこれまで以上に存在しています。その需給のギャップが、業者のつけ込む余地のようです。
年利40%というと、そんなに金利がかからないと感じるかもしれません。確かに、例えば9月に10万を借りて、月1万円ずつ法定金利の18%
で返済すると約11回で完済するのに対し、40%だと約13回、80%だと約18回で完済しますので、あまり変わらないように思えます。
ところが、借りる金額が50万円だとどうでしょうか。金利18%で月1万円返済する場合、約94回(7年10ヶ月)
で完済するのに対し、40%だと、永久に完済できません。すなわち、金利40%だと、1月あたりの利息が1万6500円になり、
利息分すら払えないためです。年利80%だと、1月あたりの利息は3万4千円にもなります。
このことから、高金利での借入は、元金が多いほど、返済期間が長いほど、過酷な状況に陥ることがわかります。
最近の判例により、法定金利を超える利率で借入をした場合には、基本的に元金すら返す必要はありません。しかし、ネットや広告で年利10%
程度の低金利を装って顧客を誘い、勤務先や親族の情報を最大限集めた上で、高金利の契約をさせ、督促をするといった事情があるため、
なかなか表に出てこないのが現実です。
「ソフト」を含めて、ヤミ金は犯罪だから、一切返す必要がない、と言う法律論をかざすのは簡単ですが、現実の相談事例をみると、
もっと社会的で複雑な問題だと思います。現実に存在する資金需要に対して、誰が、どのような方法で応え、
そのリスクは誰が負担するべきなのでしょうか。難しい問題です。
【用語解説】貸金業法(※記事より引用)
貸金業者の規制強化を目的に2006年12月成立。翌年から段階的に施行され、来年6月の完全施行では上限金利を現在の29.2%
から20~15%に引き下げ、顧客の総借入残高を年収の3分の1までとする「総量規制」が導入される。
業者は規制を先取りして審査を強化し融資を大幅に絞り込んだ結果、経営が続かず多くが廃業、登録業者数は3年間で3分の1に減少した。また、
大手消費者金融4社の成約率は、3年前の約6割から現在は3割前後に低下。無収入の主婦が借りられなくなるなど、
行き場を失う顧客が増えている。
ozaki
posted by スタッフ at 18:43| 日々のあれこれ
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